『LE LABO(ルラボ)』で虜になった香り
去年の冬、“雨”をイメージした香りが『LE LABO(ルラボ)』からリリースされ、ずっと気にかけておりましたが、先日やっと入手することができました。なお且つもう一つ私の心を捉えて離さない香りと出会ったので、それらについて綴ってゆきます。
2020年08月11日更新
[1]BAIE19(ベ19)
“雨”をイメージした香りがリリースされたと知った時、「一体どんな感じの香りなんだろう?」という好奇心と「きっと透明感があって美しい香りなんだろうな」という期待で、私の頭はいっぱいになりました。
あの“雨”が香りになるなんて…?
人が思い浮かべる雨の香りは人それぞれかと思うのですが、私の中の雨の香りは大きく分けると次の二通りのどちらかです。
一つは、幼少の頃感じた、雨上がりの後の瑞々しくもむせかえるようなグリーンの香り。そしてもう一つは東京に住むようになって感じた、雨の日のコンクリートと土が入り混じったような香り。
どちらも好きですが、「BAIE19(べ19)」を初めて試した時に感じたのは、どちらかというと東京での雨の香りに近いな…ということ。
全てを浄化させてくれるようなジュニパーベリーに混じって奥に感じるパチュリ。
時間が経つにつれ、ジュニパーベリーよりもパチュリがジワジワと広がっていきます。
なんというか、最初少し無機質なムードだけれども、そこにプラス土っぽさが感じられるところが、どこか都会的な印象を受けたのでしょう。
『LE LABO(ルラボ)』の公式サイトにも、「BAIE19は長い間日照りが続いた後の最初の雨に伴う独特の香り、ペトリコールを表現しています。」とありますが、本当にそんな感じがします。
乾いた大地に降り注いだ雨によって、たちのぼる香り…まさにそれそのものだからです。
ジュニパーベリーが好きな人には試して欲しい香りです。それとパチュリが好きな人にも…また、ユニセックスなムードの香りが好きな人にもオススメです。
ジュニパーベリー、私は恵比寿のBARで飲んでいる時にバーデンダーさんに実物を見せてもらったことがあります。
「この実がそうですよ」と手渡されたそれを少しつぶすと、たちまち強い香りが周囲に広がりました。
ハーバルでいてウッディ、少しスパイシーさもある独特の香り。…お酒のジンが好きな人も、「BAIE19(べ19)」は惹かれる香りかもしれませんね。
『LE LABO(ルラボ)』は、ラベルに好きな絵文字を入れられるのですが、私は傘やスマイルや音符の絵文字を入れました。「雨の日も楽しく過ごせる香り」という意味を込めて…。
この「BAIE19(べ19)」を入手してから、私は以前よりも雨の日が好きになりました。
雨というと、とにかく気分が沈みがちですが、この「BAIE19(べ19)」は、そんな気持ちを吹き飛ばし、心に寄り添ってくれるような香りです。
[2]GINZA SIX店
私が「BAIE19(べ19)」を購入したのは、GINZA SIX店。道路に面しているので、香りを試していると、自然と道行く人の姿や車などが視界に入ります。
毎回それを見るにつけ、外が見えるというのはこんなに解放感があるものなのかと実感します。それは百貨店のインショップにはない、不思議な解放感です。
自然光が降り注ぐ中、香りを選ぶというのは、自分の心にもストレートに従えているようで心地よいです。終始リラックスした気分で香りを楽しめます。
香水ももちろん良いのですが、キャンドルの香りもすごく素敵でした。
私はお酒のアブサンの香りがとても好きなので、「ANIS24(アニス24)」のキャンドルが気になりました。
「ANIS24(アニス24)」は、リキュールのアブサンの香りがします。なんだか懐かしく…そして無性にカクテルを飲みたい気分になりました。
まさに今時期、夏の夜に似合いそうなキャンドルです。
[3]YLANG49(イラン49)
『LE LABO(ルラボ)』の香水を一つ一つ全て試香した後で、「BAIE19(べ19)」以外にどうしても惹かれたのが「YLANG49(イラン49)」です。
49種類の香料が入っているだけあって、とても奥深く、ひと言ではいい表せないミステリアスな雰囲気が漂っていたからです。
実際、肌にのせてみたところ、私の肌との相性も良く、美しく且つ余韻のある香りでした。
イランイランももちろん好きですし、やはりパチュリが入っているところに惹かれたのだと思います。
イランラインや、ガーデニアの奥から、時々湿り気のある大地を思わせるパチュリが顔を出すので…。そのバランスがたまらなく魅力的なのです。
『LE LABO(ルラボ)』の公式サイトにも、「青々とした花束や森林浴を想起させる香りのフレグランスです。」とある通り、どことなく深い森の奥が眼前に広がるような…不思議と安らぎを感じる香りです。
パチュリ・オークモス・ベチバー・サンダルウッドなども入っており、どれも私の好きな香りばかり!
森っぽさは、オークモスやベチバーのせいもあるかもしれませんね。また、安息香も入っているので、妙に落ち着くのかもしれません。
※安息香とは、バニラのようなダークラムのようなまろやかな甘さを感じる香りです。その名の如く不安な心を安定させ、落ち着きをもたらしてくれると言われています。
私は、フローラルは普段選ばないのですが…こちらは、フローラルだけれど、どことなく翳り(かげり)のある印象で、それがとてもたまらなく良くてこちらに即決しました。
『LELABO(ルラボ)』の公式サイトに、「パチュリ・オークモス・ベチバー・サンダルウッド、そして安息香のブレンドが、その後に現れるかすかな影のあるアンダートーンを引き立てます。」と記されているのを購入後に発見し、なるほど、「影のあるアンダートーン」という表現はなんと素敵なんだろう。と一人静かに感銘を受けておりました。
こちら、イランイランもパチュリも好きな人にはたまらなく好きな香りだと思います!それに、普通のフローラルでは物足りないという人にもオススメです。
そして…ちょっと影のある大人っぽい香りをお探しの方にもしっくりくることでしょう。
[4]今回この2つをピックアップした理由
雑誌やWEBでは、東京限定の「GAIAC10(ガイアック10)」や人気の高い「SANTAL33(サンタル33)」や「THENOIR29(テノワール29)」についての詳細が多く語られる中、私がピックアップした「BAIE19(べ19)」や、「YLANG49(イラン49)」はまだそこまで浸透していないように思います。
特に「BAIE19(べ19)」は2019年冬にリリースされたばかりなので、知らない方も多いかもしれません。
でも、だからこそ、まだあまり知られていないであろう美しい香りたちの良さを広めたい、と思いご紹介しました。
実際店頭に行くと何種類も香りを試しているうちに、どれが良いかわからなくなってくる。なんてこともありがちです。
また、メジャーな香りを試していたら、マイナーな香りはスルーしていた…なんてこともあります。
そんな時、あ。そういえば「BAIE19(べ19)」や、「YLANG49(イラン49)」は、記事で読んだことがあるな、と記憶の片隅にでも置いておいていただけたら嬉しいです。